巨人、新人契約金の最高標準額を逸脱

巨人が、12球団で申し合わせた新人契約金の最高標準額(1億円+出来高払い5000万円)を超える契約を多数の選手と結んでいたと、朝日新聞が報道。複数の関係者証言と内部資料から明らかになったのは、高橋由伸外野手の6億5000万円(1997年)、上原浩治投手の5億円(1998年)、二岡智宏内野手の5億円(同)、阿部慎之助捕手の10億円(2000年)、内海哲也投手の2億5000万円(2003年)、野間口貴彦投手(2004年)の7億円。このほか、上原には退団時の功労金1億2000万円、二岡には退団時の功労金7000万円と別の出来高払い3000万円も支払う契約となっていた。巨人は朝日新聞の取材に対して「標準額は2007年までは上限ではなく、超えても構わないというのがプロ野球全体の理解のはず。ルール違反ではない」と反論。報道各社には「野球界のルールには反しておらず、社会的非難にあたらないと考える。税務申告も適正に行っており違法とみなされる点もない」との文書を送付した。最高標準額を超過した契約金をめぐっては、横浜が2004年に自由獲得枠で入団した那須野巧投手に5億3000万円の契約金を支払っていたことが07年に発覚。西武も同年、15選手に対して最高標準額を上回る契約金(超過額は計11億9000万円)を支払っていたと公表。日本野球機構(NPB)はこれらの行為について厳重注意処分としている。
http://www.asahi.com/national/update/0315/TKY201203140797.html

巨人は朝日新聞に抗議書

巨人はこの記事について朝日新聞に抗議書を送付。「読者をはじめファンや球界関係者らに重大な誤解を与えると同時に、各選手のプライバシーと名誉、当球団の名誉と営業上の秘密に関して極めて深刻な影響を及ぼす」と謝罪を求め、5日以内に誠意ある回答がない場合は法的措置を取るとした。
一方、朝日新聞広報部は「当該記事は、プロ野球界が新人契約金の高騰を避ける目的で最高標準額を申し合わせたにもかかわらず、この額をはるかに超える高額の契約が複数あったことを報じたものです。取材は球団の内部資料と複数の関係者の証言に基づく確かなものです」との見解を発表した。