清武氏が新事実を暴露、来月にも提訴へ

巨人の球団代表を解任された清武英利氏が東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、渡邉恒雄球団会長によるコンプライアンス(法令順守)違反を改めて主張するとともに、自らの解任を不当として来月にも提訴する準備があることを明らかにした。
清武氏は6項目の主張を訴える中で新たな事実を暴露。騒動の発端となった渡邉会長の「俺に報告なしに勝手にコーチ人事をいじくるというのは、そんなことはあり得んのかね」という発言に、当時オーナーだった桃井恒和球団社長が「もうやっていられない。俺辞表出すよ」と言って憤りをあらわにしたことを明かし、「桃井元オーナーの言葉を聞き、この渡邉氏の横暴は絶対に食い止めなければならないと判断した」と説明。また、渡邉会長が江川卓氏の招聘構想について「江川なら集客できる。彼をヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だと江川もファンも期待するだろう。しかし、監督にはしないんだ」と語ったことを明かして、「巨人のエースだった江川氏を集客の道具にしか見ておらず、彼のユニホーム姿に期待するファンを愚弄するもの」と指摘。渡邉会長が江川氏を招聘にあたって原辰徳監督に交渉させる意向を持っていたことも明かし、「巨人の象徴的存在である監督を権限外の問題に巻き込むことは許されない」などと批判。さらに、渡邉会長の辞任と引き換えに常勤監査役への就任を要求したとする解任理由には「退社した元先輩との電話で、本件の解決策の一案としてあり得るのではないかという意見を言ったまでのことで、桃井オーナーらに対し、地位を要求するような発言はしていない」と反論した。
清武氏は、解任はコンプライアンス違反を隠ぺいするためで、報復措置でもあり、違法、不当として「そう遠くない時期に、必要な訴訟を提起する」との声明を出し、会見に同席した吉峯啓晴弁護士は12月にも提訴するとした上で、訴訟の相手や内容については「慎重に検討している」と話した。

桃井社長「解任理由は全て正当」と改めて主張

この会見を受け、桃井社長は「解任理由は全て正当であり、変更すべきところはないと改めて確信した」との談話を発表。清武氏が、確定したコーチ人事を渡邉会長が覆そうとしたと改めて批判したことに、「その後一切の変更は許されないという理解も巨人の内部にはない。来季の優勝に向けて最良のコーチ体制を追求し続けるのが本来」と反論。吉峯弁護士が今回の問題と関連付けて「読売新聞の記事の品質が心配だ」と話したことについては、「根拠のない誹謗であり、看過しがたい。発言の撤回を求めたい」とした。