西武、大久保前コーチを解雇

西武の小林信次球団社長が埼玉県所沢市内の球団事務所で記者会見し、二軍選手1人に対して暴力行為があり、チームの統制を害する言動も認められたとして、大久保博元前二軍打撃コーチの契約を29日付で解除したと発表。球団は22日、「コーチとして不適切な行為があった疑いがある」としてコーチの職を解き、二軍首脳陣や選手らへの事情聴取を進めていた。球団の調査などによると、二軍の自主練習で若手選手から高額の罰金が徴収されているとの報告が選手会からあり、前田康介球団本部長が大久保コーチに中止を要請したところ、同コーチが訴え出た選手を雄星投手と決め付けて暴行に及んだという。後任の二軍打撃コーチには田辺徳雄編成部プロ担当が就任。今後は球団幹部への処分を検討するとともに、再発防止策をまとめる予定。

大久保氏は謝罪も「不適切な行為」否定

球団は記者会見を行う前に大久保前コーチを球団事務所に呼び、契約解除とその理由を直接伝えた。大久保氏は「後半戦が始まったばかりの大事な時期にこんなことになり、渡辺監督をはじめ現場のスタッフ、選手に大変申し訳なく思います」と謝罪。「球団による調査が完結した時点で、自ら身を引こうとも考えていた」とした上で「途中で仕事を投げ出すことになり無念です。ファンの皆さんにはこれからもライオンズに対して温かい声援を送ってもらいたい」と語った。しかし、解雇の理由については「納得できない部分がある」と反論し、「コーチとして不適切な行為をしたことはありません」と主張。罰金制度は選手が導入したもので、球団もそれを把握しているという。雄星に対する行為も指導の範囲内だったと考えているようだ。東京都内で大久保氏と協議した代理人の阿部鋼弁護士は「今回の解雇は、その手続きも含めて、コンプライアンス上、大きな問題がある」として、法的対応を検討している。