中日の私設応援団が応援禁止は違法と提訴

球場での鳴り物などを使った組織的な応援を禁止された中日の私設応援団に所属する105人が、「違法な措置によって応援活動を禁止され、精神的苦痛を被った」として、日本野球機構、日本プロ野球組織(NPB)とプロ野球12球団に禁止措置の即時撤回や計1430万円(原告1人につき11〜22万円)の損害賠償を求め、名古屋地裁に提訴。訴えたのは「名古屋白龍會」の25人と「全国竜心連合」(名古屋、岐阜、広島など全国7団体で構成)の80人。訴状によると、2団体は昨年12月に「特別応援許可規定」に基づき、2008年シーズンの試合で太鼓やトランペットなど鳴り物で組織的な応援を行う「許可」の更新をそれぞれ球団や機構などに申請したが、12球団と警察庁などが組織し、申請の審査を行う「プロ野球暴力団等排除対策協議会」が今年3月27日にいずれも不許可を通達し、白龍會の26人(うち25人が原告)に対しては全球場への入場を禁止した。原告側は「(仮に暴力団関係者がいるとしても)暴力団を排除するには該当者や関連が説明づけられる者のみを排除すれば良いはず。告知・聴聞や理由の開示もなく、手続きが不透明で、権利の濫用」などと主張し、「鳴り物での応援行為の歴史は古く、球場の風物詩として文化を形成し、個人の自由として法律上保護される」としている。これに対して同対策協議会は「適正に暴力団等排除活動を推進しており、何ら問題はないと確信している」とコメント。中日の西川順之助球団社長は「訴状を見ていないので何とも言えない。球団の弁護士と相談して対応したい」と話した。また、全国中日ドラゴンズ私設応援団連合は2団体に対する措置を不服として、処分を受けていない私設応援団も今季開幕から応援活動を自粛しているが、提訴に伴って7月4日から応援活動を再開する予定。