パウエルのソフトバンク入りが事実上決定

前巨人のパウエル投手がオリックスソフトバンクの両球団と二重契約したとされる問題で、根來泰周コミッショナー代行が東京都内のコミッショナー事務局でパ・リーグ小池唯夫会長と会談し、連盟預かりとなっている両球団からの支配下選手登録申請をいずれも却下した上で、改めて同投手と契約合意した球団からの登録申請を受け付けるとする収拾策を指示。小池会長も同意したため、パウエル本人が希望するソフトバンクへの入団が確実となった。また、根來代行は外国人選手との契約について、同様の問題の再発を防ぐための対策を実行委員会で検討するよう提案する意向を示した。
また、村田繁パ事務局長が今後のパウエルの登録申請について「統一契約書だけでなく、パウエル本人の意思を書いた文書が必要」とし、通常より踏み込んだ意思確認を行うことを明らかにした。

ソフトバンク、入団意思を速やかに確認へ

ソフトバンクの竹内孝規球団常務取締役兼最高執行責任者(COO)が福岡市内のヤフードームで会見し、確実になったパウエル投手の入団に向けて早急に手続きを進める考えを示した。根來代行の指示に関しては「全ての当事者が資料を出した上での結論だから異議はない」とコメント。パウエルとは「外国人選手にとって重要な覚書を1月24日に交わしており、債権と債務は発生している」として、新たに交渉し直す必要はないとの認識を示した。

オリックス不本意ながらも受け入れへ

オリックスの機谷俊夫球団代表は大阪市内の球団事務所で会見し、「もう一度契約した方を受理するというのは想定していなかった。正直、大変驚いている。非常に不本意ではあるが、要請を受けざるを得ないのかなと思っている」と、根來代行の裁定に従う意向を示した。今後の詳しい対応については「早急に検討して、できるだけ早く結論を出したい」と話すにとどまったが、「戦力とかというよりも、問題としているのは外国人選手との契約の在り方。我々と合意した後に、値段の高い方と(契約)となると、これから色んな問題が起こってくるのでは」と語り、3月4日のパ・リーグ理事会、実行委員会などで問題提起していく方針。
また、中村勝広球団本部長は高知市内の選手宿舎で対応し、「悔しい。予想外、うちにとっては最悪の結末だ。最高機関であるコミッショナーの判断ということで従わざるを得ないが、大変残念。人間は感情の動物なので問題を水に流せと言われても、そこまで人間ができていない」と苦渋の表情を見せたが、「開幕まで20日余。チームの士気に関わる。理不尽でも立ち止まれない。次なる選手獲得へ近く担当者を渡米させる」と明言。既に数人の外国人投手を獲得候補に挙げており、「できれば開幕に間に合うように、彼以上の投手を意地でも獲得したい」と語った。入団テストを受けていたヤング投手(Eric Debari Junge/1977-01-05/196cm/95kg/右右/米国出身)とは契約する見通し。